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神様の悪戯

第2章 もう1人の…


そしてやっと先生が来た。

明らかに分裂されたクラスの現状を見て、内藤先生は肩を落としていた。


そしてあかし君に挨拶する間もなく、内藤先生は話を始めた。



内藤「じゃあ早速だが自己紹介してもらうぞ。1番のあかしから」

「はい」


先生の言葉に従い、あかし君が立ち上がる。



「あかし征十郎です。好きなものはバスケと読書。1年間、面白く過ごせる事を期待しています」


溢れんばかりの、特に女子から盛大な拍手が起こった。読書とバスケか。なんと正反対な趣味だろう。

おっと、解析してる場合じゃない。次はあたしの番だ。


『明石です。好きなものはパソコンです。こう見えて絵を描くのが好きです。デッサン、イラスト何でもござれです。友達も好きです。よろしくお願いします』


あかし君と同じ名字からなのか、教室がザワザワとする。そして席に座ったと同時に、そのあかし君が振り返ってきた。



「同じ名字だね」

『そうだね。よろしくね、あかし君!』

「こちらこそよろしく、あかしさん」




あかし君はふんわりと笑う。ああ、なるほど。女子が騒ぐのも分かるわ。俗に言う、イケメンですわ。


それから次々に挨拶を済ませ、HRは終了した。



内藤「そのまま体育館で部活動紹介があるからなー。入学式と同じように並べよー」

「ちゃん、一緒に行こっ!」

『いいよー!』


桃ちゃんと一緒に体育館まで歩く。目の前にはやっぱり女の子に囲まれているあかし君。




「ね、ちゃんは部活何入るの?」

『特にやりたい事もないし早く帰りたいから帰宅部かなー。桃ちゃんは?』

「私はバスケ部のマネージャーやろうと思ってるんだ!ちゃんも一緒にやらない?」

『あたしはいいよ。ほら、着いたよ』



桃ちゃんと別れ自分の席に着こうとして、諦めた。女の子で溢れかえって、とてもじゃないけど座れなかったから。

群がるのはいいけど、周りの事を考えて欲しいものだよ全く。



「あかしさん」

『はいー?』


…どこから声がしたんだろう。キョロキョロしてると、クスクスと笑う声が聞こえた。女の子の中から。



「こっちだよ」




話しかけたのは紛れもない、あかし君でした。
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