第2章 もう1人の…
トイレから戻っても、女の子の群れに変化はなかった。あかし君も大変だなあ。モテるってツライね。
「あのっ!」
『はいはい?』
えらく可愛らしい声がしたなと思えば、さっき見つめあってた女の子がいた。
髪色と同じように、頬をピンクに染めている。というか胸大っきいな…羨ましい。
「良かったら私と…と、と、友達になってくれませんか!?」
『うん、いいよー!』
「ほんとっ!?嬉しい!私、桃井さつきって言うの!」
『あたしは明石。よろしくね、桃ちゃん!』
「うんっ!ちゃんかわいーっ!!」
オイオイ何言ってんだよ桃ちゃん。桃ちゃんの方が何倍も何十倍も可愛いよ…
けど何はともあれ、無事友達が出来ました!
「って、あれ?あかし?確か新入生代表の男の子もあかしって名字だったよね?」
『そうそう!だからあかし君に話しかけようとしたんだけど、あの様子じゃ当分無理だし…桃ちゃんは話しかけなくていいの?』
「私はあまり興味ないから。けど皆あかし君の所行っちゃって、どうしようかと思ってたの」
『そーなんだ。まああたしも同じ名字じゃなければ興味はないかなー』
とまあ雑談をしながら時間が過ぎるのを待つ。桃ちゃんは可愛いだけじゃなく、とても話しやすい子だった。
牧田「明石ー」
『あ、牧田。どしたー?』
牧田「今日カラオケ行こうってなってるんだけど、明石も行かねぇ?」
『おっ、いいねぇ♩行く行く!桃ちゃんもどう?』
「えっ、行ってもいいの?」
牧田「もちろん!こんな可愛い子なら大歓迎だぜ!明石と違って(ボソッ」
『聞こえてますけど牧田くん?じゃああたし行かなーい』
牧田「悪い悪い!来てください明石様!」
『よろしい』
いつものようなくだらない話だけど、桃ちゃんは笑ってくれた。その時グサッという音が聞こえた。何だろうと思って牧田を見れば、顔を真っ赤にしていた。
…一目惚れだな、牧田。確かに桃ちゃん可愛いからな。
『頑張れ、少年よ』
牧田「うっ、うっせぇぇぇ!!!」
「何の話ー?」
いいなー、恋愛。あたしもしてみたいなー。なんつって。あたしが恋愛?似合わなくて泣ける。
途中牧田の友達もこちらへやって来て、時間が来るまで皆と話していた。