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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」


「他の連中はオレのピアノを弾かせて聴く為に来てるのに弾くなと

オレに言ってきたのはあんたが初めてだよ。そんな言葉をかけられたのは初めてだ…フッ…」

その笑みに何故か私はホッとする。

オレは言った。

「今日は特別に貴女の為にピアノを弾いてやるよ。特別にだからな!」

私は瞬きしながらも頷く。

彼はピアノのに向き直ると聞いたことのある曲を弾いてくれた。

耳を澄ますと彼の思いが音と成って響く。

懐かしいのと彼のこそばゆい思いを綴った曲が終わると拍手が上がった。

彼女は何故か無意識に泣いて居る。

「っな!? 何で泣いてんだよ!?」

オレは瞠目すると持ってたスカーフで彼女の涙を拭う。

私は言う。

「……もう大丈夫……ありがとう、隼人」

「…っ /// おう」

微笑む彼女を見てオレは顔を真っ赤にしながらも頷く。

ゾクッ、「ッ!?」

相棒が警鐘を鳴らした事に私は驚愕すると叫ぶ。

「みんな伏せて!!」

私の叫びに会場に居る全員が一斉に伏せる。
するとドカンッ…と屋敷の奥で爆発が起こった。

「「ッ!?」」

そこから銃を持った男たちが乱入して来た。

「シャマル!」

私の呼び掛けにシャマルは言う。

「ッチ! 全く折角のパーティーを台無しにしやがって!」

私は彼と彼女を見て言う。

「隼人、ビアンキ! 手分けして観客の人たちを外へ急いで避難させて!」

「彩、貴女は?」

ビアンキの問に私は言った。

「時間を稼ぐ為に奴等を足止めするわ!」

ドレスの裾を上げるとその足には銃などが備え付けられている。

「早く!!」

彼女の気迫に2人は頷くと素早く皆を誘導した。
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