第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」
「さぁ…久し振りの仕事だぜ。モスキートちゃん♪」
そう言ってシャマルはあるカプセルからモスキートを出すと私に刺した。
荒れ狂う炎は収まって熱も引く。
「……ふぅ…」
私は溜まった息を吐いた。
シャマルは言う。
「全く…もう少し遅かったら分裂が始まってた所だったぞ」
私は苦笑いしながら言った。
「アハハ…ごめんなさい……でも助かったよ。ありがとうシャマル」
シャマルは2つ紙袋渡しながら話す。
「これはお前専用の薬だ。食後にちゃんと飲めよ。
で、こっちは例のの分な」
私は薬を受け取りながら頷く。
シャマルは言った。
「オレが必要な時はいつでも呼べよ」
「…うん」
頭を撫でながら言うシャマルに私は頷いた。
「お前の力は成長していくに連れて段々膨れ上がってくる。
それを自力で発散する様にしとけよ。もう…あんな惨劇は御免だからな」
シャマルの言葉に私は頷いた。
「分かってる。ありがとうシャマル」
翌朝、私はシャマルに連れられて、隼人とビアンキが居る屋敷に来て居た。
彼はシャマルに何か話していて、ビアンキは監視の為か側に居るって感じだ。
ビアンキに私は話し掛ける。
「初めまして彩花って言います。よろしくね♪」
微笑みながら言う私に彼女も微笑みながら言った。
「ビアンキよ。此方こそよろしく」
私は頷くと彼を見る。
隼人は彼女の視線に気付くと言う。
「オレは隼人…極寺隼人だ」
私は頷くと言う。
「うん。よろしくね隼人♪」
「っ ///」
「ハァ…」
微笑む彼女に赤面する隼人を見てシャマルは一息吐くのだった。