第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」
「君には感謝している……あの子たちの存在を隠してくれたからね。でも僕にはまだやるべき事があるんだ。
その時にはもう生きていないかもしれないから君に託したいんだ」
「……真さん…」
瞳を揺らす私。
真は私の頭を撫でながら言う。
『ボンゴレとシモン…2つのファミリーの未来を君に託したよ。ジェ……否、彩花ちゃん』
『……はい!』
私は頷くと真から封筒を受け取るとポケットにしまい、彼と奥さんからある指輪を持って、本部に戻ると炎真と真美は泣きながら泣きつく。
ボロボロな彼女を見て9世たちは驚いて居たが何故か今は触れてはならないと分かった。
私は2人を寝かしつけると9世の部屋で事の経緯を話す。
9世たちは信じられない表情をしていたが彼女が本来の姿を見せた事によって信頼した。
9世は言う。
「それよりも彩花ちゃん…傷は大丈夫なのか?」
その問に私は話す。
「大丈夫…とまではいかないかも……お爺ちゃん……Dr.シャマルを呼んでくれる?」
「分かった」
私はソファーに座りながらそう言うと9世は直ぐにシャマルを呼んだ。
バタバタ…、慌ただしい音と共にシャマルは慌ててやって来た。
「大丈夫か!? 彩花!?」
シャマルの問に私は自分のベッドに寝転んだまま言う。
「あぁ…シャマル……半年振りかな? ごめんなさい。ちょっと無茶しちゃった」
汗だくの彼女にシャマルはため息混じりに言う。
「ハァ…お前な……普段でも死ぬ気の炎を扱うのが危ないってのに……まぁ…
事情が事情だからな…でも、だからって命を粗末にするなよ」
シャマルの言葉に私は頷いた。