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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」


「くそ爺が! 何度も言ってんだろうが! オレ様に友達になんて要らねぇって!」

私は問う。

「どうして友達を欲しがるのを拒むの?」

その問にザンザスはやっと私を見る。

私は話す。

「友達が居るのはとっても良い事なんだよ? 時に助け合い、時に支え合える友が

居ればどんな困難にも立ち向かえる勇気を貰えるんだよ?」

私の話を聞いて瞬きをするザンザス。

話はちゃんと聞いてくれてるんだね。

「だからザン兄も怖がらないで……貴方は自分が触れたモノが直ぐに壊れてしまうから

それを恐れてずっと他人と距離を置いていたんでしょ?」

「ッ!?」

ザンザスは驚愕しながら言う。

「うるせぇよカスが! 知った様な口をほざくな! テメェにオレ様の気持ちなんて分かるのかよ!」

ザンザスの言葉に私は首を振る。

「えぇ…そんなの分かる訳ないじゃない…貴方が私に教えてくれなきゃね」

ふわっと私はザンザスを優しく抱きしめる。

「ッ!?」

ザンザスは目を見開く。

私は言った。

「大丈夫だよザン兄……私は簡単には壊れないし貴方を一人にはさせないから…」

そう言って頭を撫でた。

うわっ ザン兄の髪ってすっごくふさふさしてるんだ。めっちゃさわり心地が良いなぁ〜♪

ザンザスはされるがままになっている。

(凄いな…あのザンザスを大人しくさせるとは…末恐ろしい子だよ)

9世は内心で呟く。

私はザンザスを放すと目を真っ直ぐに見て言う。

「改めて…私と友達になってくれる? ザン兄」

首を傾げる私にザンザスはそっぽを向き、舌打ちしながら話す。
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