第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」
私は部屋で鏡を見ながら長い黒髪を鋏でバッサリ切った。
残ばらだけどこの際気にしない。後で9世達が大層慌てていたけど気にしないでと言ったら納得してくれたし
先ずは9世の息子であるザンザスと面会。
えーっと…この時はザンザスは確か…14歳だっけ?
私が内心で記憶を辿っていると
ドカンッ、「ッ!?」
ドアが乱暴に開けられて驚いた私は飛び上がったのは仕方ない。
9世は言う。
「ザンザス…ドアは静かに開けなさいと言っただろう」
9世の言葉にざんばらな黒髪に目付きがつり上がった赤眼の少年は部屋に入るなり言った。
「うるせぇ爺……で、オレ様に会わせたいカスってのは誰だ?」
ザンザスにとってはカスって奴とかの略称なんだよね。(多分)ややこしいけど
気配を消していた私はザンザスの横に現れると
「初めまして♪」
「ッ!?」
バッとザンザスは横から急に現れた私に驚いて飛び退く。
私は瞬きをし、苦笑すると話す。
「アハハ…ごめんなさい。知らずに気配を消す癖が付いちゃってて…私は彩花。
暫くここでお世話になるからよろしくね。ザン兄♪」
「ッ!? っな!?」
ザンザスは驚愕すると9世を見て言う。
「おい爺! なんだよこの女は!? 気配を消すとかこの歳で出来る訳ねぇだろ!!」
ザンザスのツッコミは最もだけど私は並の人間じゃないからなぁ…。自分で言って泣けるよ
9世は話す。
「彼女にはちょっとした訳があってね。暫く此方で預かる事になった子だよ。
お前の友達にピッタリだと思ってね」
ザンザスは言う。