第4章 標的00「復活の始まり(後編)」
「はい。この場所は私も好きな場所ですので……他の者は無くせと言っても
無視して残しているんです。こんな綺麗な場所を無くせなど愚か者ですよ」
「ハハハ…そうか…」
Ⅰ世は笑うと頷く。
[……ジョット?]
私は首を傾げた。
Ⅰ世の表情が何故か切ない、憂いを纏っていたのだ。
私はⅠ世の手を握る。
[!]
Ⅰ世は私を見た。
私は優しく微笑むと言う。
[今は私が居ます。だから……ジョットの思ってる事…悩んでいる事を教えて……その為に今の私達が在るのだから]
Ⅰ世は瞠目すると言う。
[あぁ…そうだったな……そなたには気付かされてばかりだな]
私は微笑むと言った。
[フフフ…いくらでも気付かさせてあげますよ。貴方が守ってきたモノ…貴方の誇りも……覚悟もね]
Ⅰ世は言う。
[ありがとう…彩花]
Ⅰ世はそう言うと意識の海底へと沈んだ。
「……ジョット…」
私は胸に手を当てる。
「彩花ちゃんかい?」
9世の問に私は頷く。
「うん。ねぇ…お爺ちゃんこの場所の事教えて…お爺ちゃんやⅠ世が気に入っているこの場所の事を…」
9世は微笑み、頷くと言った。
「あぁ…良いよ……きっと君も綱吉君も気に入るじゃろう」
私は微笑むと言う。
「フフフ…もうお爺ちゃんったら本当にお爺ちゃん口調になってるよ」
9世はハッとすると言う。
「おぉっとこれはいかん……彩花ちゃんは気配りが上手いな」
私は首を振る。
「ううん…そんな事ないよ……ただのお節介なだけだよ」
9世は私の頭を撫でながら言う。