第4章 標的00「復活の始まり(後編)」
最後にツナが出ると彼は建物に向かって構えると呟く。
「―――!!」
ゴオオッ…、彼の手から莫大な炎が放出されて建物は跡形もなく無くなり更地になっている。
全員が唖然する中で9世は彼に近付くと言った。
「綱吉君……今の君は…もしや…」
オレは少し微笑み、人指し指口に当てながら言う。
「ハハハ…これはまだ秘密だよお爺ちゃん♪」
そう言って微笑む彼はボフンッと煙が起って元の姿に戻っていた。
オレは瞬きすると言う。
「あれ? オレは何を?」
瞬きをし、首を傾げながらそう呟く彼に9世達は唖然とする。
それはツナが何かしらの力で10年後の姿に成っていたのだ。
ふと9世だけがツナの胸元に揺れるフィーネリングに気付いていた。
(まさか……彼女にしか使えないフィーネリングが綱吉君に力を貸したと言うのか? そうならばさっきの青年姿も納得が出来る…。…子供のままだとリングの力に耐えられない…だが、対応できる青年姿ならば使えるな)
9世は内心で納得した。
「! 彩ちゃん!?」
オレは9世が抱える彼女に気付き、慌てて駆け寄って様子を見た。安心した顔で眠っている。
オレは言う。
「もしかしてオレが助けたの?」
ツナの問に9世は一瞬、唖然とすると言う。
「……綱吉君がその指輪から力を借りて…青年姿の君が彼女を助けたんだ」
オレはパアアッと笑顔で笑うと言った。
「そっか! 指輪からの声が自分を使えば助けられるって言ってくれたから信じて良かった♪」
9世は愕然とした。
(…ではあの動きも……初代の技も辻褄(つじつま)が合うな)
9世は微笑むとツナの頭を撫でながら言う。