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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第4章 標的00「復活の始まり(後編)」


私は言う。

「良い? 絶対に声を出してはダメだからね?」

オレは両手で口を押さえると頷く。

私は微笑むと言った。

「フフフ…良い子ねツナ…大好きだよ」

オレは彼女のその笑顔が何故か儚げに見えた。

私が立ち上がったと同時にバンッとドアが開けられる。

「ッ!?」

オレは驚愕した。

私は言う。

『ノック無しにレディーの部屋に入るのは紳士ではありませんね』

彼女の言葉をオレは何とか理解したが、侵入者は驚いていたがニヤリと笑うと言った。

『ほう…娘か…これは良い手土産になるな…来い! 娘!』

ガッと侵入者は彼女の右手首を掴むと強引に引く。

彼女は咄嗟にオレを見て口パクで何かを言うと泣き顔に近い笑顔で笑う。

「ッ!?」

オレは目を見開くと慌ててベッドの下から出て、2人の後を追ったが、そこには誰も居なかった。

「そんな…#NAME#ちゃん……っく! 彩ちゃああぁ――んっ!!?」

オレは歯噛みすると叫んだ。

その後に9世達が慌てて来るとオレは悲痛な表情をしながら彼女が言った言葉を伝えた。

[待ってるから…必ず助けに来てね]

「「ッ!?」」『『ッ!?』』

9世達と家光達は驚愕する。

オレは言った。

「彩ちゃんが伝えてくる……この方角に居るって」

オレは壁側に指差す。

「北東か…」

家光はそう呟くと言った。

「ツナ、お前はここに居ろよ? 彩花ちゃんは父さん達が助けるから」

「ダメだ!!」

ツナの言葉に家光は瞠目する。
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