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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第4章 標的00「復活の始まり(後編)」


私は9世の手を引きながら言った。

「寒くなったから中に入ろう。私は大丈夫だから、お爺ちゃんは自分の役目を果たして」

「ッ!?」

9世は私の言葉に驚愕したが頷く。



寝る前に私は1度ツナの部屋に入る。

パジャマに着替え終えたオレは彼女に気付くと瞬きしながら言う。

「あれ? 彩ちゃん?」

私はツナに歩み寄るとあるモノを差し出す。

オレはそれを見ながら言った。

「…コレは?」

オレの問に彼女は右手に持つモノを見て言う。

「これは私の唯一の宝物…ツナ……貴方に預けるわ」

「ッ!? っえ!?」

オレは驚愕すると言った。

「宝物ってそれじゃ彩ちゃんが持ってなきゃ!」

オレの言葉に彼女は首を振ると話す。

「ううん…今はまだコレを使えないから……時が来たら私が貴方へ受け取りに行くわ。

だからそれまではツナに持っていてほしいの」

彼女の揺るぎない瞳を見てオレは頷くと言った。

「分かった…。大切に預かるよ。だから彩ちゃんも忘れずに受け取りに来てね?」

彼の言葉に私は頷くとチェーンに通されたそれを首にかける。

「無くさないでよ」

私はそれを服の内側にしまうとポフッと当てながら彼を見た。

オレは頷く。

私は微笑むと言う。

「フフフ…おやすみ、ツナ」

オレも微笑むと言った。

「うん。おやすみ…」

彼女が踵を返した時に咄嗟にその手を取っていたオレ。

私は咄嗟に振り返った。

「ッ!?」

私は目を見開いた。

目の前には彼の顔がドアップでしかも唇に何か触れているって…こ これってき キスーっ!!? ウソぉ~っ!?

私は内心で驚愕しながら叫んだ。
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