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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第4章 標的00「復活の始まり(後編)」


「……泣かないで彩ちゃん……君は笑っている顔が一番似合うから」

「ッ!?」

私は驚愕すると言う。

「…/// ツ ツナ…そ それ…こっちだと口説いてる行為になるよ?」

「っえ?」

オレは瞬きをしてハッと気付く。

「……っ///」

私は恥ずかしくて俯く。

彼女の様子を見て理解したオレは顔を真っ赤にすると慌てて言った。

「…/// い いや、口説きじゃなくて! オレはただ彩ちゃんに元気になって欲しかっただけだよ!」

慌てて弁解するオレに彼女は微笑みながら言う。

「フフフ…ありがとうねツナ」

「う うん」

オレは彼女の笑顔を見て固まっていたが何とか頷く。



その後、夕食を食べた後、私はテラスに出て綺麗な月を見上げていた。

海が見えるが潮風はここまで来ていない。

(でもリアルの方がとっても綺麗だったな)

ふと振り返るとそこには9世が居た。

私は言う。

「ダメだよお爺ちゃん。ここへ来たら体が冷えちゃうよ」

私の言葉に9世は微笑むと頭を撫でてくれながら言った。

「ハハハ…大丈夫だよ。それと彼の力の封印は明日に行うよ」

その言葉に私は顔を強張らせたが言う。

「……分かった。それが破れた時に彼は私の事も思い出してくれたら……ダメね」

私は頭を振ると月を見上げながら呟く。

「こんな事……願っちゃダメなのに…」

9世はまだ幼いこの少女の気持ちを痛い程分かっているが今は慰めの言葉を言っても逆効果だと分かっているので黙って聞いていた。

風が少女の長い髪を靡かせる。
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