第4章 標的00「復活の始まり(後編)」
家光は言う。
「人を好きになるのにそんな事は関係ねぇと思うがな」
9世は家光を見て言った。
「分かっていないな家光。この子の真の心を理解していないとは少しばかり離れさせ過ぎたか」
私も頷くと言う。
「少しばかりじゃないよお爺ちゃん。家光が全く家に帰らなかった分、彼が自分の父親を他人みたいに
接するんだからそうならない様に彼に休暇を出してあげたらどうかな? 家光さんが居ない間は私が助力するから」
9世は微笑みながら言う。
「ハハハハ…そうだな。それがいいな彩花は頭の回転が速いね」
(何だろう…なんか物騒な事を2人が話してる様な気がしてならない)
家光は内心でそう呟いた。
9世との話を終えた彩花が居る部屋に戻るとツナはスヤスヤ眠っていた。
そりゃぁそうよね。だってもう夕方だもんね。こんなに長く話していたとは思っていなかったけど……誤算だったわ
内心で私はそう呟くとベッドに歩み寄り、縁(ふち)に座ってツナの頭を優しく撫でる。
……ツナとも一緒に居られるのも後僅か…。
ツーッと両頬に頬に涙が伝った。
「……ん…?」
オレは目を覚ますと彼女を見た。
何かを考えているのか俯いているそ頬に涙が伝っているのを見て、瞠目すると起き上がりながら言う。
「ッ! 彩ちゃんどうしたの? どこか痛いの?」
私はハッとしてツナを見る。
起き上がったオレは彼女の頬に伝う涙を拭いながら言った。