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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第4章 標的00「復活の始まり(後編)」


家光の問に私は頷くと言う。

「はい、大丈夫です。ご心配とお手数かけてしまってすみませんでした」

家光の部下は彩花を見て瞠目している。

家光さんは話す。

「んなこと無いぜ。っと言い忘れる所だったが…ここは俺が働いている会社の本部なんだ。この格好も会社の決まりでな」

私は言う。

「となると私たちも着替えないといけませんか?」

私の問に家光は首を振ると言った。

「いいや大丈夫だ。後な……俺の上司が彩花ちゃんに会いたいと言っているんだが一緒に来てくれないか?」

私は言う。

「え? 家光さんの上司さんが私に?」

首を傾げる私に家光は頷く。

ツナは然り気無く私の服の裾を掴んだ。

無意識でやっている様だが、彼の超直感が私を行かせるなと言っているのだろうな

私は彼の手を握りながら言う。

「大丈夫だよツナ…ちょっと行ってくるから待ってて」

微笑みながら言う彼女にオレは掴んだ手を放す。

「行ってくるねツナ…」

言いながらツナの頭を撫でてた私は立ち上がると家光と共に部屋を出る。

(オレは本当に何も出来ない。ただ彩ちゃんを見送る事しか出来ないなんて……強くならなきゃ…。彩ちゃんのあの笑顔を守る為に強く!)

その時に私は気付けていなかった。

ツナの表情があの綱吉の様に覚悟を決めた顔をしていた事に…。



通路を家光の手を握りながらゆっくりと歩く私は彼を見上げながら言う。

「家光さん何処へ向かうの?」

私の問に家光は言った。
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