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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第3章 標的00「復活の始まり(前編)」


「待ってくれ!」

「!」

了平は私を呼び止める。

私は振り返らずフード越しで了平を見た。

了平は言う。

「助けてくれて極限に感謝する! ありがとう!」

「あ ありがとうございます!」

礼を言う2人に私はなるべく低い声で言った。

「礼なんていい…ただの気まぐれだから」

私はそう言うとダッと走り去る。

ランドセルを回収して、手袋とフードを取ると私は息を吐く。

「ふぅ…」

まだまだ力不足ね…頑張らなきゃ!

決意を新たにタッと家路を駆ける私を木の影から見つめる数人の人影が在った事には気付いていなかった。

「……やはり彼女だったか…ハハハ…」

そう言って微笑むのは楓。

「どうするのでござるか? このまま黙っておくのでござるか?」

そう問うのは清。

「黙っておくべきでしょ? 私達はまだあの子を守るにはまだまだ弱すぎる」

清の問に答えたのは雷舞。

「でも彼女はいったいいつあんな事を学んでいたんだろうね?」

首を傾げる津知に和は言う。

「そんなの僕らにわかるわけないよ。津知兄ぃ」

「まぁ…いずれにしても俺達がするべき事は時が来るまで

個々の力を身に付けて何時如何なる時にもあの子の

隣に立てる様に強くなるしかないですからね」

希里の言葉に全員が頷く。

その胸元にはチェーンに通された指輪が揺れていた。
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