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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第23章 標的18「ロンシャン家大騒動とボウリング対決!?」


モレッティが私の事を分かっていたからてっきり話してるのだと思っていた。

私は苦笑いする。

『アハハ…なら……ボスに自己紹介しとかないとな…』

私は家光に向き直る。

『改めて……初めまして若獅子こと沢田家光さん。僕の名前は空って呼ばれてます。そうだな……貴方の場合だと…』

私は仮面を外すと言った。

「こっちの方が分かりやすいですか?」

「ッ!? き 君は空乃君!?」

驚愕する家光に私は笑う。

「ハハハハ! 驚き過ぎだよ家光さん。以前に言ったはずだよ。此方で空と言えば皆分かるって…」

『「空さんが帰ったって!?」』

他の部下達が空が居る執務室に入ってきた。

『ハァ…お前達な…』

家光は呆れながら部下達を見る。


全員が嬉しそうに空こと空乃とじゃれ合って居た。

確かに自分が居ない間に彼は皆の信頼を得ている。

(それに彼が居る事によって空間が温かくて穏やかな気分になっているな)

家光は内心で呟くと言った。

「空君」

「!」

呼び掛けられた私は家光を見る。

家光は言った。

「君が俺の信頼に値する者か試させてほしい」

私は瞬きする。

オレガノ達は瞠目して居た。

「それは構いませんが……どちらの僕でお相手すれば? あぁ…そうそう僕は今のこの姿の他にもう1つの姿が有ります。

家光さんに選ばせてあげますよ。今の僕か本気の姿の僕と戦うかを」

空の言葉に家光は唖然とした。

目の前に居る少年からは別の隠しきれない気配が放たれている。

家光は言った。

「ならば本気の君と戦おう」

家光の言葉に私はニヤリと笑いながら言う。
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