第3章 標的00「復活の始まり(前編)」
まさか同じクラスに3人居たとは…後の2人は別のクラス。もう一人はまだ保育園。
最初の子は言った。
「初めまして空季さん、俺は嵐風 楓藍(あらしかぜ ふうらん)って言います」
微笑みながら言ってきた楓藍は濃い焦げ茶色のショートカットに赤い光沢があり、真紅のその瞳は彼の爽やかな笑顔を引き立ている。
その隣に立つ子も言う。
「拙者は陽雨 清水(はるあま きよみず)と言うでござる。よろしくでござる」
「拙者!? ござる!? 君この時代の子だよね!?」
雲雀似の黒髪に水色の光沢があり、コバルトブルーのその双眸は何処までも深い色合いで普段は大人しく物静かそうな清水の言葉に私は驚愕しながらツッコミ。
清水は苦笑いしながら話す。
「アハハ…何故か語尾にござるが付いてしまうのでござるよ。
でも意識していれば何とか語尾を出さずには……すんでるけどね」
(あ、ほんとだ)
すると右端に居た子は言う。
「ねぇ? 私の自己紹介がまだなんだけど…」
「「あ」」
楓藍と清水はハッとする。
「ご ごめんな!」
「どうぞ」
謝る2人に対してその子はため息を吐きながら話す。
「ハァ…まぁ…いいけどね。改めて私は森雲 雷舞(しんうん らいむ)。
よろしくね彩ちゃん♪」