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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第22章 標的17「お花見と新学期と嘆き弾 来る!!」


「ミュウ達は黒を助けてあげてと言ったわ……だから私は黒を見付けてあの子自身に一体何があって

こんな悲劇を招いたのかを聞くつもり……恐らくムッ君達も黒を探しているでしょうね」

希里は頷く。

「その様だね……だとすれば彼等より先に黒を見付けなければ…」

「黒の命が危ないって事だな」

清の言葉に楓達は頷いた。

私はため息混じりに話す。

「ハァ…本当に次から次へと厄介事が増えるわね。……彼の運命(さだめ)まで引き受けた義理は無いんだけど…」

彩の表情が和らいだ事で楓達はホッとした。

さっきのあの表情は誰もが恐れ、屈服する圧巻的な気配が出ていたのだ。

本人は無自覚の様なのでこれをツナたちが見れば彩と距離を置くようになってしまうだろう。

それは楓達は望まない事なので互いに見合って頷く。

「ボスはツナ君の側に居てください」

「楓君?」

首を傾げる私に清達は言った。

「後の事は拙者たちに任せるでござるよ。そなただけに重荷を背負わせる気はないでござるからな」

「だから彩ちゃんは綱吉君を側で見守ってあげて」

「貴女かツナに危機があれば我ら守護者は直ぐに馳せ参じる」

と言う雷舞と津知。

「怪我とかの件だと僕は貴女達のサポートになりますね。だからってみんなも怪我しないように」

和の言葉に全員が苦虫を噛んだ表情をした。

希里は言う。

「骸達の事と黒については俺達が調べて、何かわかり次第連絡する」

希里達の言葉に私は頷く。

「Grazie…みんな」

そう言って空を見上げる彼女の眦からは止めどなく涙が溢れていた。
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