第21章 標的16「武のトレーニングと騒動と休日の動物園」
「もうすぐ春が来て…私達は2年生になるんだよねぇ」
京子は黙って聞いていた。
「2年になってちょっと経ってからかな…並盛である騒動が起きる。
それはツナや僕たちを巻き込む大きな騒動がね。でもそれはただの序章に過ぎないけど…」
京子は言った。
「それは斗真くんの神託?」
斗真は頷く。
私は言った。
「その神託で私達はどうすれば良いの?」
その問に斗真は唸る。
「う〜ん…これってやっておいてって事は無いんだよね」
「そうなの?」
瞬きをしながら首を傾げる京子に私は頷く。
だって守るのは雷舞ちゃん達だからこれは言えない事だしね
内心で呟いた私は微笑む。
「ハハハ…だからね。そんなに気に止める事じゃないから安心して」
微笑む私に京子も微笑む。
「うん。分かった」
必ず守るから…ツナや隼人達を…そして…私の大切な友たちを…押し寄せる闇から…必ず…
私は内心でそう誓った。
暗闇の中にある1つの空間は青空と緑の高原。
「……」
そこに佇む青年は澄み渡る空を見上げていた。