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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第21章 標的16「武のトレーニングと騒動と休日の動物園」


キンッ、打たれた球はシュルルルルと飛び、ホームランの看板横のネットにポスッと当たった。

「ちっ…何かイマイチだなぁ…」

武はそう呟くと頭を掻く。

カキーンッ、「ッ!」

ガコンッと打たれた球がホームランに当たる。

武は誰が打ってるのか柵越しで見た。

一番奥の豪速球のカーブ専用スタンドに一人居る。

武も球は見えるが何処に行くかまでは分からない。

ヒュンッ、球が放たれた。

その人物はバットを構えると迷いなくカキーンッと打ち、その球はまたホームランに当たる。

「スゲェ…」

「!」

武の呟きを聞いた相手は気付くと言った。

「あれ? 武じゃないか」

「え?」

相手に名前を呼ばれて武は相手をよく見る。

私は苦笑いしながら言う。

「アハハ…キャップ被ってるから分かんないよな」

キャップを外した私に武は驚愕すると言った。

「ッ!? 斗真!?」

私は微笑む。

「ハハハハ…驚きすぎだよ武」

笑う斗真に武は次ぎの球が来てハッとするが分かってるかの様にカキーンッと打ち返す。

武は言った。

「斗真って眼鏡してるのに視力良かったりするのか?」

武の問に私は話す。

「あぁ~言い忘れてたけど…これ伊達眼鏡で度は入ってないんだよね。因みに視力は両目共に2.0だよ」

「……マジか(汗)」

武は頬を引きつった。

私は言う。

「武もさっきのを見た感じいつもみたいにキレが無いね。何か気になる事でもあるのか?」

私の問に武は唸りながら言う。

「んー……これと言って何も無いんだよなぁ…」
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