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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第19章 標的15「星の王子フゥ太と守りたいもの 来る!!」


「大丈夫よ。向こうに居た時は裏の名前で通してたから誰も私の事には気付いてないわ。同一人物とは思えないからね」

フゥ太は言った。

「斗真兄の裏の顔ってそこまで強いの?」

私は言う。

「んー…ジェラールとしての私は今の私とは裏返しの状態って所かな?」

「今の斗真兄の裏返し…何か想像つかないや」

フゥ太の言葉に私は微笑む。

「ハハハ…しなくていいよ。そう言えばフゥ太はこっちで居候先は在るつもりだ?」

私の問にフゥ太は首を振ると言った。

「無いよ。僕の力を知った人は皆……僕の力を欲してきたから」

私はため息混じりに話す。

「ハァ…まったく力が在るってだけでそんな事をする大人は許せないわね。まだ私たちよりも

かなり年下なフゥ太を一端の子供として見てないなんて」

フゥ太は瞠目したまま斗真を見る。

私は言った。

「なら、私の家へ来る?」

「え!?」

フゥ太は瞬きをした。

「イーピンって子が居候しているからフゥ太が来たら彼女も喜ぶし、ランボとも遊んでくれたらあの子も喜ぶだろうから……嫌かな?」

フゥ太は言った。

「良いの? 僕が居候しても」

私はフゥ太の頭を撫でると言う。

「何度も言わせる気か?」

「ハハハ…」

フゥ太も微笑むと首を振る。

学校が終わってフゥ太を連れて家に帰るとお母さんとイーピンが出迎えてくれた。

お母さんにフゥ太の事を話すと了承し、イーピンも彼が来てくれた事が嬉しいのか遊んでもらっている。

和むなぁ…♪

暫くすると雨が降り始めた。

「うぅ…」

「え!?」

突然呻くとフゥ太が横たわった。
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