第15章 標的11「イーピン来日&ランボと喧嘩 来る!!」
『ここに…この町に兄師が居る。師匠の為にも必ず見つけてみせる。そして……暗殺(しごと)をこなしてみせる!』
町の高台から赤ん坊の女の子はそう呟く。
その日、私とツナは先に学校を出て歩いて居た。
「10代目ー、斗真さーんっ!!」
「ツナ!! 斗真!!」
「「ッ!」」
私たちは隼人と武の呼び掛けに振り返る。
ダダダダッ…、走る2人の後ろに番犬が追いかけてきていた。
「「え゙っ!?」」
ダッ、私たちは驚愕すると駆け出す。
オレは叫びながら言った。
「うぎゃああああ!? 何なのさ!! あの犬は!?」
「武があの犬にちょっかい出したせいでリードが切れて今の状況になっています!」
隼人の説明に私は言った。
「親切に説明してる場合!? あの犬どう見ても狂犬じゃないのよ! 何やからしてるのよ武!!」
武は笑いながら言った。
「ハハハ! めんご!」
「「「反省してないでしょ!!」」」
3人のツッコミに武は苦笑いするしかなかった。
オレは叫ぶ。
「と とにかく誰かたーすけてぇー!?」
「!」
ツナの叫びに塀の上を歩きながら肉まんを食べるチャイナ服を着た赤ん坊が居て、その子は軽い身のこなしで狂犬を倒す。
あれ? 何か見たことある技を撃ったよね? この子…(汗)
私は内心で呟く。
「ありがとう。助けてくれて」
オレにお礼を言われたその子はキッとそっぽを向いた。
あぁ…日本語知らないから無理ないか…。
私はその子に言った。
『彼は君にお礼を言ったのよ』
その子は中国語を話す私を見て、ハッと荷物の中から写真らしき物を取り出すとそれを交互に見てから言った。