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その哀しき運命(さだめ)を少しでも変えたくて

第2章 プロローグ2「やって来たあの世界、でも何で最初から難題!?」


『はい。まさか……彼らに彼女達を任せるのか?』

その問に9世は頷く。

『あぁ…彼ら程に適任者は居ないだろう?』

9世の言葉は最もだった。

Ⅰ世と10世が言っていた一般家庭教育ならば彼らが一番優れている。

ビスコッティは言う。

『では、直ぐに準備に取り掛かります』

ビスコッティたちは出て行った。

9世は彩花をソファーに横たわらせて上着を被せてやりながら呟く。

『どうかこの子たちに大空の加護を…』

9世はそっと彼女の額にキスを落とす。

彩花は9世達の心を知らぬ間に掴んでいたのだ。


それから数日後、私たちは9世が手配した親代りを会わせる事になった。

私はその前日にこのハニーブラウンの髪とオレンジ色の瞳を黒く染める薬をもらって飲んだ。

すると髪は黒く染まって、瞳も同様に染まっていた。

それを確認してホッとする私。

まだ私以外は意識は何度か覚醒させてるが完全覚醒までには至ってない。

私は自分の親代りの2人を見上げる。

20代中盤くらいの男女の2人は私に片膝をついて視線を合わせると言う。

「初めまして彩花。俺は空季尚吾(そらき しょうご)で……隣に居るのが…」

「妻の千鶴(ちづる)です。私たちが貴女の親になるけれど私たちも貴女に色々と迷惑をかけるかもしれない…」
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