第1章 プロローグ「死と廻り合い」
架空の話の主人公である彼が何故目の前に居るのか…もしかしたら神様からの最期の贈り物なのだろうか?。
私はその苦笑いを見て納得すると言った。
「私にはもうこの世界で生涯を終える身です。もし必要あらば…
貴方の世界へ私を連れて行ってくださいな。
……そんな表情を……見たくはありませんから」
彼は瞠目すると私の右手を握りしめながら言う。
『…ありがとう』
私は微笑むと話す。
「フフフ…貴方が笑って居られるのなら……私は本望です。
ですが…私以外にも沢山の候補が居られたはず……それを全て
蹴ってまでこの年老いた私を選んでくださった理由を……聞かせてくださいな」
彼は言う。
『オレの直感が君を選んだんだ』
「……っ」
私は息を詰めると彼は言った。