第1章 プロローグ「死と廻り合い」
その日は穏やかな天気で爽やかな風が窓から入って、自分の髪を揺らしていた。
ベッドに横たわるご老体の身である私は穏やかな表情で窓の外を見ている。
最後まで独身者を貫いたなぁ…私。その代わりに良い思い出もたくさんあったし…。
内心でそう呟きながら私はふと空を見上げながら言う。
「綺麗な青空……まるであの世界の彼みたい…」
そう呟いた時だった。
『……それはオレの事?』
突然ベッドの側に一人の男性が現れる。
「ッ!?」
嘘 何で彼が私の目の前に!? 幻覚!? でも違うしどうなってるの!?
困惑する私に彼は苦笑いしながら話す。
『アハハ…驚かせてごめんね』
そう言って苦笑する無重力に逆らった茶髪に同じ瞳だけど、ある時にだけその瞳は琥珀色に煌めくのだ。