第6章 標的02「5年越しの運命の再会 来る!!」
オレは言う。
「頑張って!」
彼に応援してもらえた私は頷き、ボールをギュッと握ると思いっきり投げる。
ヒュンッ、ドカッ…と砂埃を舞う。
「ぁ…またやり過ぎた」
私は呟く。
全員が唖然としていた。
あちゃ~!! 武の記録を抜いたのだから、手加減が大変だなぁ…トホホ…
内心で呟いているとツナが来た。
「空乃君スゴイね! あんなに遠くまで投げれるなんてさ!」
私は苦笑いしながら言う。
「アハハ…力みすぎちゃった」
「…空乃ってすげぇのな!」
「!」
私は振り返った。
そこには爽やかスマイルの武が居る。
「えーっと…」
私が困惑していると武は言った。
「俺は山本武ってんだ。初めましてかな? 空乃」
私は一瞬唖然としたが言う。
「初めましてだね。よろしく…山本君」
武は笑うと言った。
「アハハハ! くんは無しでいいぜ。武って呼んでくれよ。敬語も無しな」
私は瞬きすると言う。
「わ 分かった。じゃあ武」
武はニカッと笑うと言った。
「おう! 空乃の事は斗真って呼んでも良いか?」
私は瞠目したが頷く。
「う うん…良いよ」
オレは言った。
「武…あんまり空乃君をからかうなよ。彼はまだ帰国したばかりなんだから」
ツナの言葉に武は言う。
「大丈夫だってツナ。斗真はそこらの帰国子女と違って優秀だぜ」
私は半目で武を見て言った。
「…武それってはっきり言って誉めてないよね?」
武は言う。
「ん? んな事ないぜ」
私はため息吐くと話す。
「ハァ…まぁいいや…早く行かないと先生こっち見てるよ」