第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」
出発日、空港へ着くと9世が別れの際に私に綺麗な紋章が描かれた箱を渡してきて、それを受け取った時だった。
「ッ!?」
ガクッと彼女が崩れ折れる寸前に9世が抱き止めた。
私は海の様な空間に居た。
「……ここって…継承の間?」
呟く私に声がかかる。
[そうです。良く来てくれましたね。ナトューラの次代の後継者よ]
「ッ!」
私は声がした上を見上げる。
そこには綺麗な巫女の様な衣装を纏った黒髪に黒い双眸の女性が居た。
私は言う。
「ナトューラの初代様?」
私の問に初代は頷くと話す。
[えぇ…でも貴女には別の力をも持っている。…本来ならば貴女が選ばれる事はないはずだったのに…ごめんなさい]
謝る初代に私は話す。
「いいえ…謝らないで初代様。こんな事…今から私がやる事に比べれば蚊に
かまれたくらいですよ。だから気になさらないで初代様」
初代は微笑むと言う。
[フフフ…私はどうやら良い子に巡り会えようですね。ではここに新たなナトューラの巫女の誕生を!]
そう言うとキランッと私は光に包まれた。
「ッ!?」
驚愕する私に初代は言う。
[その力をどう使うかは貴女次第…他の者たちもまた然り…]
私は言った。
「ありがとうございます初代様…また会えますよね?」
初代は頷く。
[えぇ…時が来れば…]
初代はそう言うと視界が真っ白になる。
目を覚ました彼女を見て9世はたちは安心した。
私は心配かけた事ちょっと反省しながら言う。
「私は大丈夫だよ。お爺ちゃん、皆」
彼女の瞳を見て9世達は安心し、そしてナトューラの箱を鞄に終うのを見て言った。