第5章 標的01「幼い覚悟と出逢いと別れ」
私は目を見開く。
そこには全身黒ずくめのスーツに黒とオレンジのボルサリーノを被り、相棒のカメレオンを乗せたもみあげが特長の彼が居た。
「ちゃおっス」
彼―晴のアルコバレーノの守護者で最強の暗殺者(ヒットマン)と言われるリボーンその人だった。
「あ 赤ん坊?」
私は唖然と呟く。
涙がいつの間にか止まっている。
9世は話す。
「彼の名前はリボーンと言ってね。君も知っているだろうが私の古い親友であり、晴のアルコバレーノの
おしゃぶりの守護者でもあり、最強のヒットマンと言う称号を持つんだ。
見た目は赤ん坊だが、アレは仮の姿であって本来の彼ではないよ」
リボーンは私の前まで来ると言う。
「この娘がお前が言ってた子か? 9代目」
彼の問に9世は頷くと言った。
「そうだよ、リボーン」
ぴょんっ、リボーンは彼女の膝の上に跳び乗った。
あれ? 以外に……重くないってどういう仕組みなの?
私は内心で疑問を呟く。
リボーンはそのクリクリとした黒曜石の瞳で彼女を見て言う。
「お前の名前は?」
私はハッとすると言った。
「あ 彩花…です」
私が名乗るとリボーンはニヤリと笑いながら言う。
「フッ…良い名前じゃねぇか、オレはリボーンってんだ。
お前を一人前にする様…9代目から頼まれたからな。これからよろくな、彩」
私は瞠目する。
リボーンが私を渾名で呼んでくれた。あぁ…とっても嬉しい!
私は内心で呟きながら知らずに涙を溢していた。
オレはハンカチで彼女の涙を拭いながら言う。
「まったく…オレ様に会えたのがそんなに嬉しいとは…変わった娘だな」