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COMPLEX【 R 18 】

第1章 ヒメゴト



あぁ、外が白んできた…結局一睡もできてない。
胃がムカムカして胃液が逆流してきそうだ。
口の中で酸っぱい味がするみたいで気持ち悪い。




私がこうなったのも全部。




バカお兄 のせいだ……。




「やっばー寝れない!」




隣で寝てるであろう兄を思うと腹たって余計に眠れない。
何故だ!何故、平気で寝れるのか?!





私たち 兄妹は この前……




しでかしてしまっているのに……




恥ずかしくなって布団に包まってはみるものの
暑くて頭がボゥっとしてくる。




ヤバイ…何だかんだ悩んでるうちに兄が起きる時間。




隣の部屋から微かに物音が聞こえる。
しばらく音がなり、部屋を出た音がした。




「私も起きようかな…」




もう今更 ねても 朝、起きれる自信がない。
そんな事を考えてると、ガチャっと静かに自室の扉が開く音がした。




私は急いで目を瞑ると薄目で開いた扉に視線を向けた。
隙間から顔を覗かせたのは兄の鉄朗。




無駄にデカイ身体を縮こまらせコソコソと私の元へと近寄ってくる。




なに?!!




狸寝入りをしているとバレたくない!




薄目をやめ、ギュッと目を閉じると浅く息を吐いた。
それと同時に温かく大きな手がサラリと私の前髪をかき上げた。
心臓が爆発しそうなぐらいに脈を打っている。顔が動いてしまいそうだ。ピンチ!!



「美菜、おはよ…」



声が近くに感じる息がかかる。目元に柔らかい何かが当たった。身体に力が入るのがわかった。



耳元でクスクスと笑う声が聞こえる。



思った。





狸寝入りがバレてる…




目を開くなら今しかない。今だったら恥ずかしいも浅くて済む。



せめて不機嫌なのを装いたくて私はムッツリと口をへの字に曲げた。



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