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貴方が傍に居たら

第2章 イソップ・カール


『ナワーブ先輩意外と話しやすかった!』

「すごい盛り上がってたよね笑」

『愛染とイソップ先輩もカップルみたいだったぞ~♪』

「それよりもファンの目線が痛かった...」

『わかる。僕もそんな気にするほうじゃないんだけどあの目線痛いわ~』


トレイシーも同じ気持ちだったのか確かに目線は痛かった。
イソップ先輩とナワーブ先輩は気にしてなかったのかな...


「変な嫌がらせとか無ければいいんだけど」

『あっても絶対に愛染から離れるのともないし、僕も心を曲げることも無いよ』


トレイシーの言葉に救われる
嫌がらせとか受けたことは無いけど面倒くさいのも、トレイシーのように仲良い子が離れてくという恐怖はきっと計り知れないだろう。


トレイシーと2人でいると案の定5人組ほどの女性に囲まれる。


〈 ちょっと貴方達、ナワーブ先輩とイソップ先輩とはどんな関係なの? 〉

威圧的な声と態度で私達に近付く。
トレイシーは怖くないのかと隣をチラリと見るとトレイシーの顔も対抗するように威圧的だった。

『あなた方には関係ないのでは?』

その時私は思った。

(トレイシー強い!!!)


〈 は?何その態度。 〉

『あなた方こそ何様ですか?彼女ですか?ただのファンクラブですよね?毎日騒がしくて鬱陶しいんですよ。恥ずかしくないんですか?』


5人組の女は反抗できないのか髪の毛を真っ赤にして黙り込む。

トレイシーは口強いけど私の手を握る手が震えてる。
トレイシーも本当は怖いんだ。

私はトレイシーに任せて黙ってるだけで
そんなのは嫌だと、思わず口を開く


「黙り込んでしまって、言い返しもしない。裏でこうやって問い詰めて恥ずかしい方達ですね。」


私の言葉で地雷を掘ってしまったのか廊下に響いたのは

パシーン

その音の後に頬に痛みを感じる。
私は叩かれたのだ。

そう気付くのは遅くなかった。

蘇る過去のトラウマ

消えることの無い暴力の続く毎日

《お前なんて要らないんだ、気持ち悪い》

〔痛い、引っ張らないで!叩かないで!やめて!〕

あと時の恐怖が蘇り私は倒れてしまった、

トレイシーが私を支えながら女に怒鳴ってるのが遠くで聞こえるが意識が朦朧としていて徐々に聞こえなくなってくる。

するとトレイシーと私を庇うように2人の影が見えた。
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