第4章 ●香りに誘われるがまま*緑間真太郎
朝からの仕事を終え、我が家の玄関を開ける。
すると、脳を溶かすような甘い香りが玄関まで充満している。
この香りにはよく覚えがある。
咲良のヒートが来た時の香りだ。
帰ってきて早々にその香りにあてられた俺の下半身はすぐに反応を示す。
急いで自室へと向かうと、ベッドの上にこんもりと俺の服の山ができていた。
そこに四つん這いになって顔を押し付けている。
「咲良、大丈夫か…!」
ただでさえ襲いたくなるようなフェロモンを撒き散らす咲良の香りは、近づくことでより強烈なものになった。
なるべく刺激しないように優しく声をかけると、涙を目一杯に溜めながら頬を真っ赤に染めながら蕩けたような表情をしている咲良が振り返った。
「しん、たろっ、助けてっ、もう、我慢、できないっ。」
「っ分かった、分かったから落ち着け。」
俺の姿を見つけた途端、俺の元へ飛びつき俺の服を脱がしにかかる。
俺はそんな咲良をなんとか引き剥がしながら咲良の身体をベッドに沈める。