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【黒子のバスケ/短編集】魔法が解けないうちに

第1章 ●瞳に映らなくとも*伊月俊







俺には盲目の女友達がいる。

生まれつき目が見えないらしく、大学の講義で困っていたところを俺が助けたのが仲良くなったきっかけだ。


今日は咲良の家にお邪魔して食事をしている。
メニューはオムライスで、正直メチャクチャ美味しい。小さい頃から料理は練習してたみたいで、特にオムライスは咲良の好物なだけあって形も本当は見えてるんじゃ、ってくらい上手い。


それでも、咲良は少し不安なようで、少し眉を下げながらこっちを見ている。そんな彼女が可愛らしくて、思わず頭を撫でる。






「咲良、凄く美味しいよ。」

「ほんと?…良かった。」




やっといつもの可愛らしい笑顔を見せてくれる。
この笑顔を見ると心臓がドクンと高鳴って、やっぱり好きだなぁ…、と実感させられる。
でも、もしこの気持ちを告げて今の関係を失うくらいなら、といつまでも気持ちを伝えることはできずにいた。





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