第1章 ●瞳に映らなくとも*伊月俊
しばらくの間は動かさずに、咲良の上に覆い被さり出来るだけ優しく頭を撫でる。
どちらからともなく唇を重ねる。
次第に舌を絡め合うと、お互いの気分が高まってくる。
その熱に浮かされるまま腰をゆるゆると動かし始めた。
「やぁっ…、あっ、ああ。」
「はぁっ、咲良っ。」
奥を小刻みに叩くように腰を前後させる。
すると、咲良からはそのリズムに合わせて短く声が漏れ出る。
「咲良っ、苦しくない?」
「う、ん…、伊月君は?ちゃんと、気持ちいいっ?」
「あぁ、気持ちいいよっ。
あと、咲良、名前で呼んで、くれないか…?」
宙を彷徨っている手をしっかりと握り、少しずつ激しく腰を振る。
咲良は声が抑えられないのか、口を開けたまま少し涎を垂らしていた。
「俊、君っ、ああ、…だ、めっ。」
「咲良、もっと呼んでっ。」
「俊君、…俊君……っ!」
好きな人に名前を呼ばれるとこんなに幸せな気持ちになるのか。
込み上げる気持ちがそのまま快感に変換され、脳が痺れる感覚に陥る。
咲良の腰を掴みながら腰を振ると、ズチュズチュと音を立てて徐々に激しさを増す。
咲良のナカは熱くて、トロトロで。
腰が砕けそうな程気持ちいい。