第11章 「ノビル/セイヨウカラシナ」
荷物をまとめたリヴァイが土手を
上がりながらさやかを振り向き、
また手を貸した。
手を預けると大きな手は
まだ少しひやりとする。
土手を上りきってから
『もう少し温めてあげようか?』
と尋ねると、
無言で軽く頭を小突かれた。
「フキ採るの忘れてたな」
と、帰り道の途中でリヴァイが呟いた。
リヴァイの側も少し動揺が
長引く出来事だったらしい。
いつも私が動揺させられてばかりだから
たまにはリヴァイが動揺したらいいよ......
と少しだけ意地悪く心の中で思った。