第8章 「フキノトウ/フキ そしてツクシ」
余談として、
心安らぐ休日が無情に過ぎ去った月曜日。
いつもリヴァイが持たせてくれる
弁当を開けると、まるで楽しかった
昨日の名残のように、
......炊き込みごはんのおにぎりが二つ。
そして、ツクシの佃煮と
フキノトウの味噌漬けが入っていた。
更におまけが一つ。
誰かに覗かれて
からかわれるのを気遣ったのだろう、
弁当箱の下にメモが端を
ちらりと見せて隠してあった。
〝次の散歩まであと五日。〟
見つけて吹き出しそうになった。
......あんまりにもくすぐったくて。
そして散歩が厄払いになったのか
メモが魔除けになったのか、
散々続きだったさやかの
三月はその頃から徐々に
治まる気配を見せていった。