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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第7章 「春が遅い年は悪くない」





『それに比べてあのセキレイの
流麗な走り方ってすごくない?』




「初めて見たらすごいだろうな。


あれも結構走ってコトを
済ませたがる傾向のある鳥だが、
小回りの利き方とスピードが違うからな。」





そしてリヴァイが首を巡らせて
川の方へ顔を向けた。





「鳥、珍しいなら」





リヴァイに言われるまま川を見ると、
ゆったりとした流れの中に......





『えーすごい!ツル?!』




「サギだ」





瞬速で突っ込まれて
さやかは唇を尖らせた。





『似たようなもんじゃない』




「おい、全然違うぞ。
こんなとこにツルが渡ってきたら
びっくりするじゃねえか。」




『だって両方とも背が高くて
細い感じで見分けつかないよ』




「見た目全然違うし大きさも違う。
さては都会っ子だな、さやかよ」





旗色が悪くなってきたので話を変える。





『あ、ねえカモもいるよ。
あれは何ガモっていうの?』




「さすがにここまで距離があったら
見分けなんかつかねえぞ。


何種類かいるんじゃねえか、
カルガモとかヒドリガモとか」




『えー?!カルガモって
こんなとこにサラっといるの?!』





さやかの知る限り、
カルガモというのはお引越しが
全国ネットのニュースになるほど
珍しいもので、それがこんな......




自宅から信号二つしか離れていない、



単なる無名の川っぺたにいるなどとは
到底しんじられない。





「.....カルガモは別に
天然記念物もクソもねえぞ。
割とどこにでもいるぞ。


あの地味な色合いと
くちばしの先の黄色さえ覚えたら
見分けるのも結構簡単だ。」




『でもっ!毎年ニュースで
お引越しとかすごい話題にっ......!』




「あれは首都のド真ん中だから
うるさいだけだ。これくらいの
環境なら珍しくもねえな。」




『わー、私意外とローカルな
所に住んでたんだね.....』


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