第2章 「おい お前、俺を拾え」
『ねえ!名前は?』
彼は物干しに寝袋をかけ、
さやかを振り向いて
逆光の中 また小さく笑った。
「リヴァイ」
『苗字?名前?』
「名前」
『フルネームは?』
「苗字は好きじゃねぇから言わない。
......これでどうだ?」
弱気な笑みに、
無理に問いただしたら
出ていってしまうかもと
不安になった。
『私はさやか。河野 さやか。よろしくね、』
呼び方を少し迷った。
『......リヴァイ 』
名前だけで呼ぶと胸が小さく鳴った。
「さやか、これからよろしくな」
それから二人で膝を詰めて
〝契約〟を話し合った。