第16章 「春の野花 - タンポポ、イヌガラシ、スカシタゴボウ」
『パンに添えてもおいしいかも』
「明日試すか」
残りの二品にも箸を伸ばす。
『あ、ちょっとピリッとするんだね』
イヌガラシのおひたしである。
「ああ、全体に少し辛みがある。
だがアク抜きで湯がきすぎると
この辛みが消し飛んで
ただの草になる。
辛みを楽しんだほうが
面白い野草だからな。」
最後のスカシタゴボウのごま和えも、
『うん、普通においしい。
あんまりクセもないし』
タンポポが油で処理する
料理になったので、
イヌガラシとスカシタゴボウは
あっさりと調理したのだろう。
箸休めの意味でもちょうどだ。
ふと食卓にある花かんむりに目が行った。
『......そういえば、
シロツメクサとかも
食べられるんじゃないっけ?』
リヴァイは箸を
動かしながら喋り出した
「〝食べられる〟と〝食べて旨い〟
てのはまた別の話になるぞ」
首を傾げたさやかに
リヴァイは続けた。