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恋して、ヴァンプ

第1章 恋して、ヴァンプ


やっぱり。
あたし、この声知ってる。



低い声。



翔琉のそれとは、似てるけど似てない、その声。


あたし、どっかで聞いたことがある。



血を吸われる度に高鳴る心臓の鼓動がやんで。
不意に感じたのは首筋を這う舌の感触。
視線だけで翔琉をうかがえば。
あたしの視線に気付いた翔琉が、不適に妖しく、笑った。


「……っ」



目の、色……っ!?




「凜」



囁かれた言葉と同時に広がる、甘い味。
首筋を散々舐め回していたその甘い唇は、今度はあたしの口の中を、堪能していく。



「……っ」




これ、あたしの………………っ



翔琉の舌が、奥に隠れるあたしの舌を引きずり出し、重ねるように絡めていく。



ヤバい。
どーしよう。
気持ちいい。
翔琉の口の中に残る、自分の血液がおいしく感じる。


「……モット」


自分の血の味がする彼氏の舌を舐めまわす自分の神経をほんと疑うんだけど。
たくさん疑問とか。
いろいろあると思うんだけど。

「チョーダイ、ソレ」



もう。



頭の中何も考えられないくらいに。



あたしの頭の中は彼から与えられる『快楽』に支配されていたんだ。


「どんな気分?……凜」


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