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恋して、ヴァンプ

第1章 恋して、ヴァンプ


「笑いながら怒るって、ある種の才能だね、ありゃ」
「うん」

おかげで、講義が始まる直前まで解放されなかった。
しまいにはみんなが見てる前でわざわざ唇にキスまでして。
恥ずかしいったらないわよ、ほんと。



「愛されるって、大変だね」
「ばかにしてるでしょ未琴」
「べっつにー?」
「………」



才能溢れる天才くんは。
ただいま先生に捕獲され中。
うるさいのがいないだけで、こんなに静か。






「んじゃぁそろそろ、邪魔者は退散すっかな」
「ええ?」
「マジ二宮こぇーし。どっか行けオーラ、半端ないっスよ、奥さん」
「誰がよ」
「あたし次とってんだわ。じゃーねー」


じゃーねー、と手を振りつつ未琴に背を向けた、瞬間。





____ドクンっっ



て。
心臓が小さく跳ねた。
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