第1章 理想のペア、マイマイと納鳴村脱出！！

　「ナナキは、人それぞれの過去のトラウマがそのまま姿を現した化け物よ。だから、向こうにいる男子高校生は、私がフラれた相手だけど偽物の化け物なの。丸井くんは何か過去にトラウマみたいなのってあった？」
　と、マイマイは丸井に聞くと、少年は少し考えてから答えました。



　「えっと、トラウマというか、家の手伝いで買い物でスーパーの袋、重いものを持ちすぎて腰を痛めたことがあったかな。大したことないトラウマです」



　「いいえ、大したことないトラウマだったとしても、当時はものすごく辛かったでしょう。それが、ナナキとなって大きなレジ袋の姿で現れたのね」　



　「なるほど、そのナナキを倒さないと、オレたちは合宿所に帰れないと？」
　木手が言うと、マイマイは頷き、



　「うん。でも、ナナキと言っても、相手は自分の過去のトラウマだから、刺激しないようにやり過ごせば帰れるよ」
　そう言ったあと、固唾を飲み込み、男子高校生のナナキを見つめます。



　「刺激しないようにか……」
　丸井は大きなレジ袋のナナキ、




　「………」
　木手は足下の地面を揺らし、地震を起こすナナキに緊張の面持ちでいました。