「新テニ×マヨイガ」理想のペア、マイマイと納鳴村脱出!!
第1章 理想のペア、マイマイと納鳴村脱出!!
「………」
地震が苦手な彼はもはや気絶寸前です。そこを丸井が肩を揺すり、彼をしっかりさせます。
「おい、キテレツ、キテレツ、キテレツ、キテレツ、キテレツ、キテレツ、キテレツー!」
「……丸井くん、そんなに揺らさないで下さいよぉ」
「今、あたし、丸井くんの高速な肩揺すりのせいか、木手くんが100人以上に見えた」
と、マイマイです。
「あ、揺れが収まった」
「良かった。ねえ、木手くんってもしかして地震、だめ?」
マイマイが小さい声で聞くと、
「はい、実は……。地震は下から化け物か何かが動かしていると思っていましたからね」
と、彼女に木手は正直に答えました。
「なあ、2人でこそこそ話してどうしたんだ?」
「いいえ、地震の話です」
「ああ、あれはでかい揺れだったよな」
「本当、ほんと……」
ここでマイマイの表情が固まります。いきなり、高校生男子が姿を現したからです。
「わっ!」
丸井も悲鳴をあげていました。けれども、少年が悲鳴を上げていた相手は、マイマイが見ている男子高校生ではなく、中身がいろいろ入っている大きなスーパーのレジ袋のモンスターでした。