第5章 水の呼吸
「今食事を用意する。たった一日で水の呼吸を習得したんだ、今はそれほど感じないだろうが体は疲弊しきっているはずだ」
「ぁ…ありがとう、ございます」
「少し待っていろ」
それから少しして肉じゃがが私の前に出された。
「ご…ご飯だ…!!」
「しっかり食って体を休めるといい」
「はい!」
そして食事を終え、布団に入ると直ぐに寝落ちた神影。
そんな彼女を一瞥しながら、鱗滝は思考を巡らせた。
彼女は何者なのか、と。
神影の育手である闇裂からの手紙には前もって最低限は育ててあると書いてあった。しかし、だからといってたった1日で習得できるものでは無い。
過去に何かしら基盤となる事をしていたのか?それとも潜在能力とでも言うのだろうか?
(闇裂…お前が育てようとしてるのは化け物かもしれんぞ…)
神影の才覚に薄ら寒いものを感じながら、鱗滝も布団へと潜り眠りについた。