第4章 思いがけない喪失
「い、今の、全部聞こえて、た?」
ペトラさんは言葉を途切れ途切れにしながら私に問いかける。
さっきまでのテンションはどこへ行ったのやら。
もちろん、さっきまでは結構なボリュームで言っていたので、ばっちり聞こえていた。
「はい、聞こえてましたよ。何か問題でも?」
私が首を傾げると、ペトラさんは私の両肩を掴みブンブンと揺さぶった。
「当たり前じゃない!好きな人がバレちゃったのよ!?
…あーー、もうっ!シャーロット!絶対に誰にも言っちゃダメだからね!?」
既に皆んなにバレているかとも思うが、ペトラさんは気付いていないようなので私も無言で頷く。
ペトラさんは、ハァ…、と溜息を吐きながら片手で頭を抱えていた。
そして、小さく呟き始めた。
「もうバレちゃったけど、
…私ね、リヴァイ兵長のことが好きなの。
いきなりごめんね、こんな話して。でも聞いてほしい。」
ペトラさんは私に小さく微笑みかけて私の腕を引き椅子へと腰掛けた。私も隣に座る。