第4章 思いがけない喪失
本日、第57回壁外調査が決行される。
トロスト区の門は巨人化したエレンによって塞がれているため、今回はカラネス区から出発する。
新兵の入団から1ヶ月。
今回の壁外調査には新しく入った21名の新兵も参加する事になった。
エレンも今日は早朝から落ち着かない様子だった。
「エレン、大丈夫?緊張する?」
「…はい、それなりに。」
少し困ったように眉毛を下げるエレン。
初めてなんじゃないか。
エレンが年下らしい表情を見せるのは。
少し嬉しくなった私は、エレンの頭をよしよしと撫でる。
すると、すぐに腕を掴まれて耳元に顔が寄せられる。
「シャーロットさん、俺の気持ち知ってますよね?
あんまり無防備にしてると、俺我慢できませんよ…?」
無駄にセクシーな声で囁かれ全身が痺れるような感覚になる。
ごめんなさい…!とすぐ謝ってペトラさんの元へと駆け寄る。