第2章 新たに迎え入れられる者
その後はみんなで食堂に集まり簡単な夕食を食べた。
エレンはまだ緊張の面持ちだったが、これからまだ過ごす時間は数日間かある。その間に少しでも慣れてくれればいいのだが。
食後の紅茶をみんなで嗜んでいると、ガチャと扉が開き外からハンジさんが姿を現した。
どうやら明日の実験について許可を貰いにきたようだ。
リヴァイ兵長曰く明日の予定は庭の掃除らしく、ハンジさんは速攻で実験の計画を立てていた。
「しかし巨人の実験とはどういうものですか?」
エレンがポロリと零した一言。
その瞬間、私達は一斉に席を立ち自室へと向かうために食堂の扉に手を掛けた。
「えっ、ちょっ、シャーロットさん?」
驚いたようにこちらに手を伸ばすエレン。
しかしその手はハンジさんに固く握られ、私に届くことはなかった。
私は両手を胸の前で合わせ軽く頭を下げる。
「ごめんね、エレン。私、睡眠無しじゃダメな人だから。また明日ね。」
「えっ、待っ…。」
戸惑った様子のエレンに軽く手を振り食堂を後にする。
ハンジさんの話は実際興味深いものばかりだが、如何せん長い。流石に朝までコースに付き合う余力はないのでさっさと自室に戻り休ませてもらうことにした。