第2章 新たに迎え入れられる者
その後、しばらくすると大勢の人々が審議所に集まってきた。
その中には、あの日見た金髪の青年と黒髪の少女もいた。
憲兵や中央の有力者達も顔を揃えた所で、中央後方の扉が開く。
そこから現れたのは、ーーエレンだ。
3つの兵団のトップであるザックレー総統も姿を現し、とうとう兵法会議が始まった。
そもそもこの会議は兵法を破ったから開かれるような通常の会議ではなく、巨人化する人間の処遇を決める、極めて異例の会議である。
そのため、通常の法が適用されないため、決定権は全て、ーーエレンの生死でさえもザックレー総統の判断に一任されている。
それに対して、異論はあるかね?という総統の問いにエレンが答える。
「ありません!」
「……!!」
…この声は、聞いたことがある。
確か、さっき馬車で見た夢の最中に聞いた声。
あのエレンは、やっぱりこの人だったんだ。
合点がいくと、先程まであったモヤモヤした感覚は無くなって、代わりに夢の中で感じた温かさが胸の中に広がっていった。