【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第2章 海の兵として生きる
海軍に入隊してから半年が経過し私は順調に課程を終えていた。
「おーい、アンーー!!」
『どうしたの?アルト』
「今回の試験、また1位だったらしいじゃないか。お前、ほんと才能あるよなァ」
『あぁ、もう見てきたんだね。今回の筆記も実技も全部勉強してきたことだよ。アルト、寝てたりするからでしょう?』
“あはは…”と隣で苦笑いをしているアルト。私よりいくつも年上なのにその仕草はエースのようで少し近親感が出てしまう。
「///ッあ、じゃあまたな!」
少し顔が赤かったが、風邪でも引いたのだろうか。
そういえば…と海軍に入ってからおじいちゃんに連絡をもらったとき、話した約束を思い出した。
「アン、いいか?海軍に入るに当たって、必ず守るべきことがある。」
『ちょっと待って…海軍に入るに当たって…ってもう入隊して3週間なんですけど』
「いやぁ、うっかり忘れておったわい!!!わっはっはっはっは!
いいか…1つめに年齢・ファミリーネームは公にしないこと。2つめにお前も見て顔を赤くするやつ、告白には対応しないこと。海軍内の恋愛は御法度じゃからな!!そして最後に…」
『能力に関しては、一切口外しないこと。そして、一切使用しないこと…か。』
能力に関しては悪魔の実の講習会の時に中将が言っていた。
「いいか、訓練生諸君!!我々海軍の中にも悪魔の実の能力者は多数おり、その能力を持つ方々は多くの功績を残している。だから、見つけ次第…報告後に食してもらってかまわない…がただ1つの悪魔の実を除いては…だが。」
「1つを除いてとは??」
「あぁ、今海軍が総出で探している実がその1つというわけだ。その実は…」
映像電々虫によって映し出されたそれは、ひどく見覚えのあるものでその味を鮮明に思い出させるものだった。
「これはミズミズの実と呼ばれる悪魔の実だ。」
一見何の変哲もない涙型をしており、他の悪魔の実と同様にぐるぐると変な模様が入っていた。
「それの何が他とは違うのでしょうか??」
「いい質問だ。いいか諸君、悪魔の実は強大な力を得るとともに海に嫌われるという難点がある。が、このミズミズの実は...大海をも操ることができる...最強種の自然系(ロギア)の悪魔の実なのだッ!!!!」