【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第14章 世界を見る旅
『その人は「俺と言うものがありながら!他に現を抜かすなんて!!」…いや、人の話聞いて!!?!』
そのあともシャンクスは私の話を少しも聞く気はなく…いつまでもプンスカと怒っていた。
「で、本当は誰なんだ?」
ベックはまた小さな声で聞いてきた。コソッとベックの耳に入れるとベックはニヤッと笑って、“このことは黙っておこう。面白くなりそうだ”と呟いた。
『えェ…』
「今のうちに行けよ…じゃねェと離してくれねェぜ。」
「寂しいけどな、今回は見送ってやるー」
『フフッ…ありがとう。じゃあまた今度』
私は挨拶を済ませると、小舟を置いた岸へ戻りまた旅を再開させた。
『次はどこに行けるんだろうか。』
今度は風にのり、ゆっくりと帆をすすめる。たまに、海を潜ってみようと能力をフル回転して使った。
『そういえば…海の中にも島があるって青キジさん言ってたなァ』
私は航海術を持ち合わせているわけではないので、ここをこう進めばどこの島に辿り着けるなんて知らない。たどり着いた先に大きな船があって、そこにスペードのマークの海賊旗がついてるなんて見えない。
『あ、でもそっか。 私は海軍じゃないんだし、捕まえる義理もないか。』
ハッと気がついたことで、気持ちは幾分も軽くなり私は小舟をつなぎ島へ上陸した。
『ここは広い島だなァ…海軍もいるだろうから注意しとかないと』
フードを深くかぶり、顔を隠す。所々でいい匂いが漂っており、街の名前を示す看板には[ようこそ、食の街!イートシティへ!!]と大きく書かれていた。
『ほう…美味しそう。』
気になる匂いを辿り、飲食店へ入ると、おすすめをとオーダーをする。その時、店の外で“食い逃げだー!!”と大騒ぎをしている声が響いた。
「なんでもオレンジの帽子をかぶってて、そんで食ってる途中に死んだように寝る男らしい。」
「そんな男がいたらすぐにわかると思うが。」
「男は火を扱う悪魔の実の能力者のようだ!!」
店に入ってきた男たちの話を聞いたが、奇妙な男もいるものだと思った。
私は後々この噂を何度も聞いたが、あまり興味がないことなので関わろうとしなかった。まさか、その食い逃げの犯人が身内だと言うことも知らずに。