【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第15章 バレる素性
シャンクスたちと別れてからいろいろな島を旅した。
雪の国(なにやら大きなウサギのような熊がいた。)、砂の国(クロコダイルがいたらしいがややこしそうなので、避けた。)、春の国(一年中、サクラという花が咲いていた。)、サボテンの島(山に沢山の墓標が立っていた。)と、沢山行った。
もちろん、海王類や出鱈目な海流、海軍、大きな海賊団もみたが関わりたくないのでその瞬間は海に船ごと沈めていた。
私はログを辿って旅をしているわけではなく、自身の能力で海流を操り、時には風にのり、ゆっくりと風の吹くままに旅をした。
内乱が起きている国や、海軍に支配されている国、海賊に名前を借りている国…沢山ありいろいろ経験をした。
そして、今も…目の前にあるのは海軍船と海賊船…どうやら闘いが起こっているようでワーやらキャーやら声がする。助かる義理も捕まえる義理もないので傍観をしていた。
「くらェ海賊どもめ!!」
ドーンと大砲が撃たれて、海が揺れる。
「うるせェよい!! こんな所で海軍に会うなんてよいッ!」
「白ひげといえどッ!我らはひかん!!」
「さっさと倒せよ!パイナップル!!」
「うるせェよい!! フランスパンッ!」
『わァ…綺麗な青い鳥が見えるー。』
船が大きすぎて気づかなかったわけではない…前が見えなかったせいでモビーの形に気づかなかったわけでは断じてない。
「グララララ…海軍の小僧どもが俺の首を取ろォってのかァ?」
白ひげが覇気を飛ばしたのか白ひげの隊員たちが倒したのか海軍がチラチラと落ちてくる。
『あァ…ここにいたらバレそう…』
〔海が汚れる…私たちの海が…〕
『そうね…こんなに血塗れにされちゃ汚れるわね。』
〔助けて…女神…私たちの海を…〕
『うん…わかったから…大丈夫。』
私が話しているのは海…というかその下にいる海王類。海を操るこの力はどうやら、海の秘宝と呼ばれていた実だったらしく海王類や海の生物たちは好んで話しかけてくる。
『はァ…海軍を助ける形になるなァ…』
手をふわっと持ち上げると、海に落ちていた海兵たちを水龍を作り船の上へ投げて行く。
「おいおい、どうなってんだッ!?」
「こりゃァ…あいつだねい。」
「生きてるじゃねェか…グララララッ!!」
「ま、まさか。」
「中将!! 海に落ちたものが!!」
「見ればわかる!!!」
あぁ…バレちゃった…